高部 優子

教授
専門分野
映像社会学、紛争解決コミュニケーション、平和研究、社会調査
ゼミテーマ
(社会調査実習テーマ)人権、多文化共生、インタビュー調査、映像表現
主な所属学会
平和学会、関係性の教育学会、トランセンド研究会
研究実績
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教員からの
メッセージ

私たちの社会はとても複雑で、目に見えるものはほんの一部にすぎません。その背後には、文化的な背景や制度、構造が幾重にも絡み合っています。「何かもやもやする」「なぜだろう?」――社会学は、そうした違和感や疑問を出発点に、それらを「問い」へと育てながら、複雑な社会のしくみをさまざまな視点でとらえ、問題解決を考える力を養う学問です。社会とは、誰かと誰かの関係の中に存在しています。自分や他者との対話を通じて、問題を見いだし、よりよい社会のあり方を探究していく――その学びの道のりを、私たちと一緒に歩んでいきましょう。大学での4年間が、社会を深く理解するためのかけがえのない時間になることを願っています。

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主な担当科目

ドキュメンタリー実習

この授業では、自分たちの身近な社会の中にある見過ごされがちな問題を掘り起こし、映像というかたちで伝える力を育てます。テーマの選び方からリサーチ、取材、撮影、編集、上映会まで、映像作品をつくる全プロセスに取り組みます。取材を通じて人の声を聞き、協力しながら、自分の思いや考えを社会に発信する経験は、きっとあなたの世界を広げてくれるでしょう。

フィールドワーク実習

この授業では、実際に地域に出て、人びとの声を聞きながら調査を行います。自分でテーマを設定し、リサーチを行い、観察し、記録し、最後には報告書にまとめて発表します。教室の中ではわからなかったことが次々と見えてきます。あなたの好奇心と行動力が社会に変化を起こすきっかけになるかもしれません。

マイノリティの社会学

この授業では、社会の中でマイノリティとされている人びとの立場や経験を学びます。差別や排除はなぜ起こるのか、自分にも無意識の偏見があるのではないか…。そんな問いを仲間と一緒に考え、語り合う授業です。

グループでの話し合いや実践的なワークを通して、ただ知るだけでなく、どうすれば共に生きられるかを考え、行動する力を育てていきます。自分自身の中にもあるマイノリティやマジョリティに気づき、他者と向き合い、多様性や共生を考えていきます。

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推薦図書

  • 入門 icon
    あなたの「?」は人権問題かもしれない―国際スタンダードから考えるSDGs時代の声のあげ方
    ヒューマンライツ・ナウ編 阿部浩己・小川隆太郎編集委員、2024、現代人文社
    あなたの「?」は人権問題かもしれない―国際スタンダードから考えるSDGs時代の声のあげ方
    推薦コメント

    社会で疑問に感じることや、日常の中で感じるモヤモヤや違和感。それが実は人権問題かもしれないという視点を学べる一冊です。いじめ、ハラスメント、差別、表現の自由など、誰もが関係しうる多様なテーマが読みやすく整理されています。

  • 基礎 icon
    マイノリティ問題から考える社会学・入門―差別をこえるために
    西原和久・杉本学編、2012、有斐閣
    マイノリティ問題から考える社会学・入門―差別をこえるために
    推薦コメント

    マイノリティへの差別を考えることは、マジョリティのあり方を問い直すことでもあります。障がい、性差、民族、移民など多様なマイノリティ問題を通じて、社会に根づく差別の構造と、その背後にある社会の価値観が見えてきます。社会学を通して共に生きるための視点を得ることができるでしょう。

  • 応用 icon
    日本社会とポジショナリティ―沖縄と日本との関係、多文化社会化、ジェンダーの領域からみえるもの
    池田緑編、2024、明石書店
    日本社会とポジショナリティ―沖縄と日本との関係、多文化社会化、ジェンダーの領域からみえるもの
    推薦コメント

    差別や不平等は、個人の資質や意識だけでなく、私たちが属する集団や社会構造に深く結びついています。沖縄と本土の関係、ジェンダー、文化的多様性など、現代日本における具体的な事例をもとに、ポジショナリティという視点から社会の中の見えにくい力関係を浮かび上がらせます。