杉山 怜美

助教
専門分野
文化社会学、メディア研究、ファン研究
ゼミテーマ
メディア文化と社会をともに考える
主な所属学会
日本社会学会、日本メディア学会、関東社会学会
研究実績
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教員からの
メッセージ

大学では正解が一つに定まらないような問題について考えるのだ、と聞いたことがある人は多いかもしれません。近年はそうした問題にまで、それなりに正しそうな答えを与えてくれるサービスが登場しています。しかし、そうしたサービスを使う人間のほうが、物事を深く洞察する力を持たなければ、技術に振り回されるばかりとなるでしょう。そうならないためにも、学内での勉学はもちろん、さまざまな現場へ積極的に飛び込み、自らの目で見て考えるチャンスとして、大学での4年間を最大限活用してほしいと思います。

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主な担当科目

文化の社会学

文化の社会学では、ポピュラーカルチャーと関連するファン文化、シリアスレジャー、消費社会論、文化産業論、クリエイティブ労働などのキーワードを取り上げます。⽂化現象について社会学的な概念や視点を用いて考察するとともに、⽂化現象を通して社会学についての理解を深めることを⽬指します。

フィールドワーク実習

フィールドワーク実習では、質的調査(インタビューや参与観察など)に関わる⼀連のプロセスを経験して、社会調査について総合的・実践的に学びます。調査計画の立案から実際の調査、データ分析、調査報告書の作成まで、すべて学生主体で取り組みます。

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ゼミ紹介

活動内容

2年次のゼミ活動では、実習を通して質的調査の方法を身に付けるとともに、アニメ、アイドル、VTuberなどの身近なメディア文化をどのように研究することができるのか、文献講読や個人研究を中心に学んでいきます。3年次にはゼミ全体でテーマを決めて、グループで調査研究を行います。様々な課題を通して、読む・書く・発表する力を伸ばせるようサポートします。

ゼミのアピールポイント

本ゼミでは、ポピュラーカルチャーを中心に、メディアと文化と社会に関わる問題を幅広く扱います。日々当たり前に使っているテクノロジーや、各自にとっての“好きなこと”が、社会とどのように結びついているのか考えることを通して、社会学的な視点を学んでいきます。

ゼミのイベント紹介

使い慣れたメディアをあえて普段と違う使い方で使ってみる演習や、独特なメディア文化の現場(同人誌即売会など)を訪れるフィールドワークを予定しています。

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推薦図書

  • 入門 icon
    読書と社会科学
    内田義彦、1985、岩波新書
    読書と社会科学
    推薦コメント

    大学の学びにおいて、読書は避けて通れないものです。この本で「情報として読む」ことと「古典として読む」ことの違いや、頭の中に自前の概念装置を立ち上げる方法などを学び、実践してみましょう。

  • 基礎 icon
    メディア文化論―メディアを学ぶ人のための15話 改訂版
    吉見俊哉、2012、有斐閣
    メディア文化論―メディアを学ぶ人のための15話 改訂版
    推薦コメント

    メディアと聞くと、多くの人がインターネット、スマートフォン、テレビなどを思い浮かべるのではないでしょうか。この本では、メディアをそうした個別の領域に還元せず、技術、社会、文化が結び付いたものとして捉える見方を学ぶことができます。

  • 応用 icon
    コンヴァージェンス・カルチャー―ファンとメディアがつくる参加型文化
    ヘンリー・ジェンキンズ(渡部宏樹・北村紗衣・阿部康人訳)、2021、晶文社
    コンヴァージェンス・カルチャー―ファンとメディアがつくる参加型文化
    推薦コメント

    2006年に原著が出版された、ファン研究における古典的著作です。ファン研究は日本語で読める文献が少ないのでその意味でも貴重です。ファンと産業の関係や、参加型文化と民主主義の関係など、現在のポピュラーカルチャーを考えるうえで重要な論点を提起しています。