鵜沢 由美子

教授
専門分野
労働社会学・ジェンダー論
ゼミテーマ
キャリア形成の社会学
主な所属学会
日本社会学会、国際ジェンダー学会、日本労働社会学会、女性労働問題研究会
研究実績
icon

教員からの
メッセージ

私は、多くの学生さんと同じように(そして、多くの大学教員とはちょっと違って?!)、大学で社会学を専攻したあと就職して一旦「社会人」となりました。その過程で得た確信は、社会調査実習をはじめとする社会学の学びが自分のキャリアの土台となったということです。社会調査関連科目でコミュニケーション力や調査力を養い、社会について多角的に学べる講義が充実している当学科で、あなたのキャリアの種を育んでください。

icon

主な担当科目

産業社会学

産業社会学では、まず「働くことの意味」とは何か、社会学的視点からどのように理解・解釈することができるのかということから始めます。そして、現代日本社会における産業構造、企業社会の在り方などにたいする理解を深めます。高度経済成長を支えてきた日本型雇用システム―終身雇用・年功序列制・企業別労働組合・新卒一括採用などを特徴とする―は、どのように変化していくのか学んでいきましょう。

仕事の社会学

仕事の社会学では、上記の「産業社会学」と連動し、現代日本社会における多様な働き方の諸相の理解を深め、職業選択をする際に不可欠な知識や考え方を幅広く学んでいきます。具体的には、若者と仕事、労働とジェンダー、仕事と生活のバランスのとり方、起業、転職、資格を取って働くということなどのテーマを、講義や受講生同士のディスカッション、ゲストのお話などから多角的に捉えていきます。

icon

ゼミ紹介

活動内容

2年次は、本を読んでレジュメを書き議論したり、グループワークをしてその成果を皆の前で発表し、レポートにします。このことで「読み書き発表」という大学生・社会人に必須の基礎力を養います。3年次では、インタビュー実習やゼミ活動で、コミュニケーション力や企画力などを養っていきます。また、自分が明らかにしたいことを調べ、卒論に向けて準備を進めます。4年次には、ここまで培ってきた力を活かして卒論をまとめます。

ゼミのアピールポイント

当ゼミは「キャリア形成の社会学」をテーマに掲げています。上記の活動内容やイベントを通じて、独り立ちできる力を身につけて自分らしいキャリアを歩んでもらえるように企図しています。この過程には、積極性や協調性が欠かせません。ゼミではお楽しみ会や卒論合宿なども実施して、親睦を深めています。卒業生も研究室に訪ねてきたり、種々の相談が寄せられます。「保護者さんの次に学生を想う」教員でありたいと思っています。

ゼミのイベント紹介

  • ワークライフバランスのとれた企業調査:日野市・実践女子大学と協働で実施しています。3年生が中心となり2年生をリードして進めています。その成果は日野市HPに掲載されていますのでご高覧ください。
  • 高大生のためのオンライン企業見学会:コロナ禍でできることとして、多摩大学長島ゼミ・明治大学奥山ゼミと協働で始めました。
    このほか、学生たちに関心のあるテーマでゲストスピーカーを招聘するなどしています。

主な卒業論文のテーマ

「若者と仕事-日本型雇用システムの変容の中で」 「労働と家庭の両立支援~現状と今後の展望~」 「部活動における性別の枠を超えたマネージャー」
icon

推薦図書

  • 入門 icon
    ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた―あなたがあなたらしくいられるための29問
    2019年 一橋大学社会学部佐藤文香ゼミ生一同 著、 佐藤文香 監修 明石書店
    ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた―あなたがあなたらしくいられるための29問
    推薦コメント

    ホップ・ステップ・ジャンプと三段階に分けて、29のトピックスについて大学生がわかりやすくまとめたジェンダー論の入門書です。

  • 基礎 icon
    新しい労働社会―雇用システムの再構築へ
    2009年 濱口/桂一郎著 岩波書店
    新しい労働社会―雇用システムの再構築へ
    推薦コメント

    諸外国では「ジョブ型雇用」であるのに対し、日本型雇用システムは「メンバーシップ型雇用」であるとして、議論を呼んだ濱口氏。国際比較と歴史的な視角から日本の労働社会の行く末を検討した一冊です。

  • 応用 icon
    企業のなかの男と女―女性が増えれば職場が変わる
    1995年 ロザベス・モス・カンター(高井葉子訳)生産性出版
    企業のなかの男と女―女性が増えれば職場が変わる
    推薦コメント

    参与観察等の社会学の手法を用い、コンサルタントとして企業の組織を自在に調査した研究成果を活かしてまとめられた本著。組織におけるジェンダー構造を「数の論理」で分析、ジェンダーと労働研究の分野において、今日も色褪せない記念碑的な一冊です。