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卒業生の声
2023.07.13

【卒業生の声】小林夏菜さん(2017年度卒・熊本ゼミ)

人間社会学科を卒業後、岩手県陸前高田市広田町でNPO法人の社員として働いている小林夏菜さんに、ゼミの指導教員だった熊本教授がインタビューしてきました。

 

【プロフィール】

小林夏菜(こばやし・かな)

2018年3月、人間社会学科卒業(熊本ゼミ)。

1年生のとき、フレッシュマンキャンプの実行委員会を立ち上げて、2年次に人間社会学科初のフレキャンを実施。

現在は「まちづくり・ひとづくり・社会づくり」を事業目的とするNPO法人SETのスタッフとして、経営管理の仕事をしながら、中高生向けのキャリア教育や社会人向け研修のファシリテーターを務めたり、地元の方といっしょにワカメ漁を手伝ったりと、変化に富んだ毎日を過ごしている。

 

NPO法人SET ホームページ https://set-hirota.com/

 

【ロングインタビュー】

-なんでSETに入ることになったの?

 

新卒のときはITベンチャーに就職したんですけど、社長とうまく合わなくて精神的に追い詰められてしまって、結局1年で辞めたんです。で、これからの人生をどうしようかなって悩みながら考えていたとき、学生時代、学外でのプログラムでお世話になった方が、陸前高田市を中心に活動している「SET」というNPOが4ヶ月間の滞在型研修をやるんだけど参加してみないかって声をかけてくれたんです。

ちょうどいいタイミングだなと思って、思い切って参加してみたのですが、そこで出会った人たちや、SETが取り組んでいる「フォルケホイスコーレ」というデンマーク発祥の教育法がとても面白かったので、そのままSETのスタッフになっちゃいました。

 

-仕事の魅力は?

 

SETが大事にしてることって「やりたい」を「できた」にすることなんですよ。それをスタッフがそれぞれやってるし、まわりも支えてくれる。そもそも「やりたいことがある」って、私はとても崇高なことだと思ってて、それを実現できるってほんといいなあと。

だから、キャリア教育プログラムに参加してくれた生徒さんたちにも、自分のなかにある「やりたい」に気づいてもらいたいし、引き出してあげたいって思います。みんな自分の中に「熱源」をもってるんですよ。そこに目を向けてもらうためのお手伝いをしています。

高田松原津波復興祈念公園より

 

 

-じゃあ、次は学生時代について。夏菜が大学生のころ、いちばん力を入れていたことってなんだった?

 

いろいろやってたけど、やっぱりフレキャンかなあ。私、明星大学は第一志望じゃなかったんです。心理学か社会学をやりたいって思ってたけど、大学は別のところを狙ってました。でも入試で落ちちゃって、仕方なく(笑)

で、やっぱり最初のころはやる気でなかったんですよね。でも、このままじゃいけないなって思って、開き直ったんです。ここでがんばろうって。

そんなときに、教育学部の友だちからフレッシュマンキャンプ楽しかったって話をきいて、なんで人間社会学科ではフレキャンやってないんだって熊本先生にいったら、学生たちが動いてくれればサポートするよって言われて。じゃあ、ってことで学科の友だちを巻き込んで実行委員会を立ち上げて。

特に覚えてるのが、先生たちの前でプレゼンやったことです。職員のUさんから、大学の予算をつかってやるんだから、ちゃんと効果があるって先生方に納得してもらえるようなプレゼンをやれって言われて、めちゃくちゃ緊張しながらやりました。

 

-あれはよく覚えてる。僕も緊張したんだよね。ちゃんとプレゼンできるかって。

 

おかげさまで先生たちのOKももらえて、そのあとは来年度の実施に向けて、先生といっしょに下見にいったり、いろんな企画を準備したり。大変だったけど充実してましたね。先生たちが自由にやらせてくれたのもありがたかったし、ものごとの立ち上げ方を学ばせてくれたんだなあって思います。

フレッシュマンキャンプで活躍する小林さん

 

-あれは僕にとっても貴重な経験でした。じゃあ、人間社会学科で学んだことで、いまの仕事に役立ってることって何かある?

 

コミュニケーションについての授業で、言葉以外のものをつかっておこなう非言語的コミュニケーションについて学んだんですけど、これがキャリア教育プログラムのときとかですごくつかえるんですよね。自分の言いたいことを伝えるときにも、相手の気持ちを理解するときにも、言葉以外の部分を意識するといいんだなって実感してます。知識と行動を行き来しながら学んでますね。

あとは、役立っているというか、社会学っぽいなって思うのは、地域を理解するときの姿勢かなー。ワカメ漁の手伝いをやるのも、もちろんお金を稼ぐためでもあるんだけど、作業しながら地域の方と話したり、自宅におじゃましてご飯をごちそうになったりすることを通して、地域の文化を学んでいく。それが、私みたいな「よそ者」が、広田町のような田舎に受け入れてもらうのにとても大事なことなんだなって。

地域の方のおうちでおしゃべり

 

-おお、ちゃんと役立ってるなあ。こういうの聞くと嬉しいね。

 

今日はいろいろと話できてよかったです。夏菜もいろいろあったけど、学生のころみたいに笑顔みせてくれるし、元気にしてるし、ちゃんと乗り越えたんだなって。

実家に帰省したときにでも、久しぶりに大学に顔出してね。

 

はーい。こちらこそいろいろ話せてよかったです。また遊びにいきますね!

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